不易流行

捨てない時代の新提案

私たちエフラボは能登半島の七尾市に拠点を構え、椅子の張替・修繕を専門に行っております。
現在“ホテル”“レストラン”“結婚式場”を主なお客様として椅子再生の仕事をさせて頂いております。
能登には、多くの大工、建具屋、縫製工場がありましたが、時代の変化と共に激減してしまい、同時に多くの職人やその技術が失われてしまいました。私たちは、この確かな技術と経験豊富なシニア職人たちと、この能登から『生産拠点の国内回帰』を目指し、「椅子再生事業」を始めました。

この業界では、ユーザー様と私たち工場との間には多くの中間業者が存在し、ユーザー様の「希望」「要望」「困りごと」といった声がなかなか私たちには届きません。そこで私たちは多くの声を直接聞きたいという思いから、ユーザー様が多い関東に市場を求め、直接取引の営業を選択致しました。その新しい出会いは互いの信頼関係を築き、思いやりと感謝の気持ちまで頂けるようになりました。

ところで皆様は、椅子は再生して新品同様に蘇ることをご存じですか。
海外の工場から今、多くの椅子が日本に運びこまれ、かつて日本の職人が作った「古い椅子」はお金を払って、産業廃棄物として処分されています。古くて廃棄されてしまう椅子にも、後世に伝えていきたい想いや伝統・技術があるのです。その想いや技術を残しながら、世の中の変化や流行にも対応して新品同様にするのが、この椅子再生事業なのです。

今では、従業員・シルバー人材70名の職人軍団とIT機械を融合した工場から、毎日100本以上の椅子を出荷することが出来るようになりました。廃業した縫製工場を活用し、シニア職人たちが若者に技術を教え、生きがいを持って日々仕事に向き合っています。

この市場規模は、年間150億円とも言われております。当工場もようやく年間5億です。まだまだ伸びしろのあるこの市場で全国137社の協力工場と、互いの強みを生かし、ニッチな市場ですが『直して使う』という新しい価値観とSDGsの精神のもと、この業界から『捨てない時代の新提案』をしたいと思っております。

しかし、私たちだけでは全国的な「生産拠点の国内回帰」は目指せません。各協力工場での人材確保や若手職人の育成、さらなる技術向上とともに、さまざま作業や工程を一括管理できる大規模拠点工場の設置とそれぞれを結び付けるネットワーク化が今後の大きな課題だと思います。私たちは全国の椅子屋さんと共に、この生産拠点の国内回帰とその仕組みを創りあげたいと思います。

代表取締役 松井 正尚